ピークパフォーマンスの契約ライダー中川未来と上遠野悠子が語る、
ブランドとの出会いとフリーライドの魅力
ピークパフォーマンスの契約ライダー中川未来と上遠野悠子が語る、ブランドとの出会いとフリーライドの魅力
父親の影響もあり幼いころからスキーと共に人生を歩み、現在もフリーライドの第一線で活躍する中川未来。そして、2024-25シーズンも国内のコンペティションシーンで活躍を見せた上遠野悠子。スキーという共通点を持ちながらも、それぞれ異なるルートを歩んできた二人が、「Peak Performance」との出会いやライダーとしての今、そしてフリーライドの魅力について語ってくれました。
二人が揃う初めてのフリーライドセッションの様子とともにお届けします。
Peak Performanceとの出会い
中川未来の場合
Peak Performanceを初めて知ったのは、約20年前、中学生の頃でした。当時、北海道・富良野で開催されていたスノーボードのワールドカップで、外国人選手たちが着ていたウェアに「かっこいい!」と衝撃を受けたのがきっかけです。調べてみるとスウェーデン発のブランドだと知り、当時はまだ手が届かない“憧れの存在”でした。
大学時代に父の友人である山木さんを通じて、当時の輸入代理店をご紹介いただき、プライベートで着用するようになりました。あの頃は、全日本スキー技術選手権大会に選手として出場していたので、大会には規定に沿ったウェアを着用し、プライベートではPeak Performanceのウェアを着用する。といった形で場面によって切り替えていました。プライベートではお気に入りのウェアを着たいという気持ちも大きく、選手を引退してからもずっと愛用しています。
20年前とはデザインやロゴも変わりましたが、あのとき感じた“かっこよさ”は今も変わりません。
上遠野悠子の場合
学生時代はアルペン競技に打ち込んでいたため、競技向けブランドしか知りませんでした。引退後、カナダ留学を機にフリーライドやパークといった新しいジャンルに挑戦するようになったころ。フリーライドワールドツアー(FWT)の映像で、トップ選手たちがPeak Performanceのウェアを着ていたことが強く印象に残っています。
その後、国内のFWT予選(Qualifier)に出場する中でご縁をいただき、契約ライダーとして活動をスタートすることになりました。憧れのブランドにサポートしていただきながら滑れることに、今も感謝しています。「Peak Performance=高級でプロフェッショナル」というブランドイメージに負けないよう、楽しみながらも結果を出していきたいです。
白馬での初めてのセッション「状況に合わせて行く山を選べるのが白馬の魅力
同世代でありながら、北海道と長野県という距離からこれまで一緒に滑ることがなかった二人。今回、初めてのフリーライドセッションに訪れたのは、上遠野のホームである長野県白馬エリア。大寒波が訪れる中のセッションは、天候に左右されながらも二人の距離を一気に縮めてくれました。
白馬をホームマウンテンとし現在も多くのコンペティションで活躍する上遠野は白馬の魅力をこう語る。
「Hakuba valleyとして知られている通り、多くの山が連なっているためその日のコンディションに応じて行く山(ゲレンデ・バックカントリーエリア)を選ぶことができます。」
そんな、上遠野の地元白馬に何度も訪れてはいるものの、スキーを生業としているので今回のように女性クルーのみ(今回は、カメラマンも女性)で山に入ることは珍しく、ゆっくりした時間を過ごすことができたと中川は話してくれました。
「この日も、寒波の影響もあってたくさん雪が降っていたのでどこに滑りに行くか悩みましたね。結局、まずは白馬らしいアルパインを目指して白馬八方尾根スキー場の八方池山荘のバックカントリーエリアに向かいました。翌日はエリアを変えて、栂池やコルチナの森の中を歩きながら撮影とスキーを楽しみました。」
初めて一緒に滑った二人。
お互いの印象は?
”悠子ちゃんは、強くて速いのにゴーグルを外すとにこっと笑顔で話し方も柔らかいところのギャップがとても印象的でした。同性と滑る機会は比較的少ないので、今回の撮影で一緒に滑ることができてとても楽しかったです。”
”未来さんは、滑りの何処を切り取ってもカッコよく、滑りの引き出しが多くて、オシャレな滑りをされる方だなという印象でした。更に、経験も豊富なので一緒に滑らせていただいたことで「魅せるスキー」を学ぶことができました。地形を見ながら、「あそこを滑ろう」「このラインがいいんじゃない?」「いいマッシュあるよ!」といった感じで、ラインの取り方とかカメラマンとの距離感などのアドバイスもしていただきとても優しかったです。”
笑顔が絶えない二人のフリーライドセッションは、リフトの上もハイクアップ中も会話が弾んだという二人。お互いのスキーライフや、今後の目標。どんなギアを使っているのか、ウェアのサイズ感や着心地はどうか?などライダー同士ならではのトピックに花が咲きました。
未来さん、最近滑るときはどんなことを考えていますか?
これまでスキーをしてきた中で感じていなかった、「スピード」「ジャンプ」への恐怖心が芽生えたり、身体の痛みが出たり・・・ちゃんと年齢を重ねているなと感じますね。生涯スポーツといわれる中で、まだまだ若い方だとは思っていますが、10代20代のころとの身体の変化はしっかりと感じています。(笑)だからこそ、身体や気持ちの変化に合わせて滑りのスタイルや強度のレベルも調整して行くようになりました。これからも自分のペースで「楽しい」をベースに滑って行きたいですね。安全第一で!
悠子ちゃん、昨シーズンのコンペはどうだった?
今年も、2025 TOYO TIRES FWT HAKUBA QUALIFIER 4* に出場しました。
11月にエントリーした時は、まだリハビリ中だったので大会に出れるか、今出て大丈夫なのかギリギリまで考えていました。試合当日、スタートに立った時は「いくしかない!」という気持ちと「フルアタックは辞めておこう」という2つの気持ちが混ざっていましたね。あの日、自分が出せるすべてを出し切って、ゴールゲートまで滑り降りた時には、「私の膝、意外と耐えられるじゃん」「自分が思ったより滑れるじゃん」と自信につながりました。まだ、怪我は完治してない状態です。痛みは取れたので、この夏も引き続きリハビリとトレーニングに集中して、無理せず過ごそうと思っています。
未来さん、今回着用している「Gravity gore-Tex women Jacket / Pants」の着心地はどうですか?
レディースモデル特有のしぼりがないストレートシルエットなので、ハイク時の足さばきはもちろん、滑走中の窮屈さがなくて動きやすいです。見た目も「可愛い」より「かっこいい」が勝っている印象もお気に入り。Peak Performance らしい切替えやカラーパターンが雪山で目を引きます。
悠子ちゃん、今回着用している「Vertical gore-Tex pro women Jacket /Bib Pants」の着心地はどう?
ポケットが多くて機能的なのがポイントの一つ、今年はシルエットも変わり少しサイズ感がゆったりしました。私はゆったりシルエットのウェアが好きなので、場合によってはメンズモデルを選ぶこともありますが、今年はレディースモデルでも好みのシルエットなのがうれしいです。
現在進行形でスキー人生を歩んでいる二人が技術選手権、アルペンスキーそれぞれの競技を引退後、ライフワークとして楽しむフリーライド。その魅力を改めて語ってもらいました。
中川未来:「フリーライド=これ」と言ったような決まりがあるようでないところが魅力ですね。なにかに挑戦することも、ただ気持ち良く楽しむことも、スキーやスノーボードで好きなように滑ればどこでもいつでもフリーライドだと思います。
最近は、「バックカントリーに行くこと」をフリーライドと思っている方も多少なりともいらっしゃるのかな?と感じることもあります。それが全てではないことを伝えたいし、行くとなれば事前の準備やトレーニング、正しい知識をもって挑戦してほしいと思いますね。
上遠野悠子:爽快にスピードを出して滑ったり、仲間と山を登って壮大な山々を滑ったり、マッシュを飛んでみたり、勇気を出してジャンプやトリックに挑戦したり、パウダーで浮遊感を得たり、日常では味わえない感覚を楽しめることが魅力だと思います。
ゲレンデやバックカントリーという、それぞれの場面の違いはあるにせよ、それはすべて一つの「山」であることは変わりないと思います。「自由に自分らしく滑る」それがフリーライドです。
フリーライドは「自由に滑る」それは、ゲレンデであろうとバックカントリーであろうと関係ない。自然とともに滑り、挑戦し、楽しむ二人のスキースタイルとPeak Performanceとの関係は、これからのウィンターシーズンに向けて、きっと多くの人のインスピレーションになるはずです。
PHOTO : @247nikiimages